
この記事は、ULキャンプを目指すソロキャンパーに向けたキャンプギア軽量化の解説記事となっています。
こんなソロキャンパーさんにおすすめ
- キャンプ装備が重過ぎて困ってる
- 徒歩キャンプ、バックパックキャンプに興味がある
- 自転車キャンプに興味がある
- ULキャンプを始めたい
- キャンパー目線のウルトラライトが知りたい
ソロキャンプには、いろんなキャンプスタイルがあります。
徒歩キャンプ、バックパックキャンプ、自転車キャンプなど、装備の軽量化が求められるキャンプスタイルもあります。
そんなソロキャンパーさんに向けた、「キャンプギアの軽量化〜完全ガイド〜」を作ってみました。
キャンプ装備を軽くすると、もっと軽快にソロキャンプを楽しめますよ。
この記事では、軽量化のためのポイントから軽量化する手順まで、詳しく解説していますので、どうぞ最後までご覧ください。
UL(ウルトラライト)キャンプとは

UL(ウルトラライト)とは
UL(ウルトラライト)とは、登山やハイキングにおける装備の軽量化やスタイル、考え方を表す言葉です。
また、UL(ウルトラライト)は、次のように定義されています。
- ウルトラライトの定義
- ベースウェイト※が、4.5Kg以下
※ベースウェイト…消耗品(水・食料・燃料など)を除く、パッキングの重量
とはいえ、あくまで登山やハイキングをする方にとっての基準ですので、キャンパーさんが4.5kg以下を目指す必要はないと思います。
なぜなら、「登山やハイキング」と「キャンプ」では、目的や楽しみ方が大きく違うからです。
「登山やハイキング」と「キャンプ」の違い
「登山やハイキング」と「キャンプ」の違いをまとめてみました。
登山・ハイキング | キャンプ | |
目的 | 移動を楽しむ | 滞在を楽しむ |
食事 | カロリーの摂取が目的 | 食事はイベントの1つ |
調理 | 最低限の調理のみ | 調理はアクティビティ |
焚き火 | 基本的にしない | 基本的にする |
目的や楽しみ方が異なるので、装備に違いが生じるのは当然だと思います。
キャンプでは、「食事や調理」「焚き火」関連のギアを考慮し、ベースウェイトの目標を決める必要があります。
ULキャンプで目指すベースウェイトは
ULキャンプで目指すベースウェイトは?
残念ながら、キャンプにおけるUL(ウルトラライト)の定義はありません。
ただ、「UL(ウルトラライト)=4.5kg以下」を参考に、ある程度の目標を設定することはできます。
登山やハイキングの装備に、「食事・調理」と「焚き火」に関するギアの重量を加えて、おおよそのベースウェイトを算出してみましょう。
食事・調理に関するギア
- クーラーボックス(バッグ)
- 調理用ナイフ
- クッカーセット
- 調味料
(合計:700〜1000g)
焚き火に関するギア
- 焚き火台
- (焚き火シート)
- ナイフ
- 革手袋
- 薪ばさみ
- 火吹き棒
- 着火剤
(合計:1000〜1500g)
※湯沸かしの目的でなく、「調理をする」という観点からクッカーセットを記載しました。
※調味料は、小分けの容器などを使用する意味で、消耗品扱いにはしていません。
「食事・調理」と「焚き火」に関するギアの重量は、合わせて2.5kgといったところでしょうか。
UL(ウルトラライト)の定義でもある4.5kgと、キャンパー向け装備2.5kgを合計すると7.0kgです。
よって、「ULキャンプで目指すベースウェイトは7.0kg」
そもそもの定義がないので、あくまで目安として参考になれば嬉しいです。
ULキャンプのメリット

ULキャンプのメリットは、次のとおりです。
ULキャンプのメリット
- 移動が楽になる
- キャンプサイトがすっきりと片付く
- 設営撤収が早い
移動が楽になる
キャンプギア一式の重量と容量が小さくなるので、移動がとても楽になります。
徒歩キャンプであれば、公共交通機関を利用するときに、荷物が大きすぎて周囲に気を使うといった心配もなくなります。
また自転車キャンプであれば、走行時の安全と快適性が格段に向上します。
キャンプサイトがすっきりと片付く
持って行く荷物が多いと、収納ラックを使用しないことには、サイトが物で溢れ返ってしまいます。
キャンプギアを厳選することで、すっきりと片付いたサイトになりますよ。
設営撤収が早い
荷物が少くなることで、設営や撤収も早くできます。
「設営後の一杯が楽しみ」という方も多いと思いますが、その一杯に早くありつけます。
設営と撤収が早いことで、キャンプの時間をたっぷり味わえるのも魅力です。
キャンプギアの軽量化5ステップ

キャンプギアの軽量化5ステップ
- キャンプ装備一式の重量を測る
- 「要らないギア」や「無くても良いギア」を削る
- 重たいギアから見直す
- もう一度、重量を測ってキャンプで試す
- 何度も繰り返す
Ⅰ.キャンプ装備一式の重量を測る

まずは、普段のキャンプ装備一式が、どれぐらいの重量あるのか測ってみましょう。
10g単位まで、計測できるものもありますが、そこまで神経質になる必要はありませんよ。
100gや500g刻みで表示される体重計でもいいので、まずは今の重量をざっくりと知ることが大切です。
Ⅱ.「要らないギア」や「無くても良いギア」を削る

要らないギアや無くても良いギアを削りましょう。
毎回のキャンプで、出番の無いものや他のギアで代用のできるものを見つけることが大事です。
また、必要な分だけ持っていくことも重要です。
さらに、無くてもなんとかなりそうなものを削れば、かなり荷物は軽量化できますよ。
「要らないギア」や「無くても良いギア」の例 | ||
斧・のこぎり・ナイフ | → | ナイフ |
LEDランタン✕3個 | → | LEDランタン✕2個 |
お箸・フォーク・スプーン | → | お箸・スプーン |
お皿 | → | クッカーの蓋で代用 |
予備のペグ | → | 予備は1〜2本に減らす |
ペグハンマー | → | 石や薪で代用 |
チェア | → | 地べたスタイル |
上の表は、あくまで一例です。
例えば、腰痛のある方は無理せずチェアを持っていきましょう。
Ⅲ.重たいギアから見直す

キャンプ装備の軽量化は、重たいギアから見直すのが効率的です。
「重たいギア」を見分けるポイントは、「大きさ」と「素材」の2つ。
重い | 軽い | |
大きさ | 大きい | 小さい |
素材 | ポリエステル | ナイロン |
ステンレス、スチール | アルミ、チタン | |
化学繊維 | ダウン |
重たいギアを見分けることで、大幅に軽量化ができるようになります。
一般的なキャンプギアとULギアの重量を比較してみました。
一般的なギアとULギアの重量を比較(一例) | ||
一般的なギア | ULギアの重量 | |
→ -780g | ||
1880g | 1100g | |
→ -330g | ||
790g | 460g | |
→ -743g | ||
985g | 242g | |
→ -505g | ||
900g | 395g | |
→ -230g | ||
980g | 750g | |
→ -325g | ||
350g | 25g |
Ⅳ.もう一度、重量を測ってキャンプで試す

キャンプギアの軽量化が進んだら、もう一度、重量を測ってキャンプで試しましょう。
再度、重量を計測することで軽量化が数値として視覚化され、実際にキャンプに行くことで軽くなった実感を得られます。
また、UL化を進めるうえで試すことも重要です。
軽量化した装備の使用感を確認しながら、改善点を探していきましょう。
Ⅴ.何度も繰り返す

キャンプギアの軽量化5ステップのⅠ〜Ⅳを何度も繰り返しましょう。
そして、ご自身にとっての「必要十分」を知ることが大事です。
「過不足なく、事足りる」この絶妙なラインに洗練していくのが、UL化の醍醐味でもあります。

UL(ウルトラライト)キャンプのコツ5選

キャンプギアの軽量化5ステップ
- 現地調達
- キャンプ場を厳選する
- 温度計を持っていく
- 無理な軽量化はしない
- これだけは絶対に削ったらダメ
現地調達

買い出しは、キャンプ場の近くでするのがコツです。
薪を販売しているキャンプ場であれば、そこで購入しましょう。
また、低温での管理が必要な食料品も、キャンプ場近くのスーパーやコンビニで購入するのが効率的です。
春から秋にかけて、日中の気温が高い時期には、大きい袋入りの氷が便利です。
保冷剤として使用したり、溶けた水を飲料用や調理用に使えますよ。
キャンプ場を厳選する

ULキャンプをするうえで、キャンプ場は厳選しましょう。
気をつけて選びたいポイントは、次のとおりです。
キャンプ場選びのポイント
- 薪の販売
- ゴミの回収
- 炭・灰の回収
- 近隣に買い出しできる場所があるか
- 最寄りの駅・バス停(徒歩キャンパー)
ゴミの回収や炭・灰の回収もやっていただけるなら、ありがたいですよね。
ただ、立地的にすごく良いキャンプ場なのに、ゴミや炭・灰の回収をやっていない場合、少し迷いませんか。
暑い時期に、臭いの気になるゴミ袋を持って電車に乗るのは、少し勇気がいります。
私は、夏場のゴミの持ち帰りには、BOS うんちが臭わない袋ペット用Mサイズを使っています。
ちょっと商品の名前がアレですが、防臭性能はクソ真面目です。
本当に鼻を近づけても臭いがしないので、おすすめですよ!
また、炭・灰の持ち帰りには、ZenCamp 火消し袋 アッシュキャリーがおすすめです。
炭の火消しを行って、そのまま持ち帰ることができるので、徒歩キャンパーや自転車キャンパーにピッタリのギアですよ。
温度計を持っていく

温度計は、ULキャンプの必需品です。
防寒着やシュラフなど、何を持っていくかの判断は、その日の最低気温によって決まります。
シュラフには、コンフォート温度の記載がありますが、実際の体感温度には個人差があります。
ご自身にとって快適に過ごせる装備は、ご自身の経験が重要になってきます。
そのためにも、温度計を持っていき毎回データを積み重ねることをおすすめします。
私が普段、愛用しているのは、ドリテック(dretec) 温湿度計です。
ベルクロなので、着脱も簡単です。キャンプ場に着いたらテントのポールに取り付けて、いつでも気温を確認できるようにしています。
無理な軽量化はしない

無理な軽量化は禁物です。
ULキャンプは、装備の軽量化を行いながらもキャンプを楽しむのが目的です。
決して「苦行」ではありませんよ。
これは、ただの苦行ですよ。
- 本当は、焚き火したいけど我慢する。
- シュラフのスペック不足で、凍えて眠れない。
- 軽量化のために食事をしない。
キャンプを楽しめる最低限の装備は準備しましょう。
これだけは絶対に削ったらダメ

マナーや安全に関する装備は、絶対に削ってはダメです。
これだけは絶対に削ってはダメ
- ゴミ袋
- ファーストエイドキットとエマージェンシーキット
ゴミ袋やそれに代わるものは、準備しておきましょう。
ファーストエイドキットやエマージェンシーキットは、出番が少ないかもしれませんが、必ず持っていきましょう。
あえて重量を増やしてみましょう

ここまで、軽量化のメリットや軽量化のポイントを述べてきました。
ですが、キャンプギアのUL化が進んできたら、あえて重量を増やしてみてはいかがでしょうか?
一般的なキャンプギアからULギアに切り替えるうえで、1〜2kgは簡単に軽量化できると思います。
軽くなったと同時に、荷物の容量も大きく削減できているはずです。
キャンプをより楽しむためにも、何か一つや二つ持っていくものが増えたところで、移動の快適さや設営撤収の時間に影響は無いはずです。
軽量化を無視して、あえて持っていく物の例
- 快適なピロー
- 本
- タブレット
- コーヒーセット
- 鉄板や鉄のフライパン
キャンプ装備のUL化を進めてきた中で、あえてそれに反するもの持っていくことで、贅沢なご褒美としての満足感が得られますよ。
まとめ

この記事のまとめです。
この記事のまとめ
- ULキャンプのベースウエイトの目安は、7.0kg
- ギアの軽量化は「重さを測る」→「削る&見直す」→「試す」これの繰り返し
- キャンプ装備の軽量化は、自分にとっての「必要十分」を知ること
- キャンプ場と周辺の情報を確認しておく
- 無理な軽量化はダメ
- ご褒美に一品持っていくと、満足感がたまらないのでおすすめ
別記事で、軽量なチタン製の焚き火台を紹介しています。
そちらも参考にしていただけると嬉しいです。